腋窩多汗症

■腋窩多汗症とは?

ワキ汗が多く出る病気のことを「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」といいます。腋窩(えきか)とは、ワキの下のことです。ワキの下はもともと汗腺が多いうえに、緊張やストレスなどの精神的な刺激と、気候や運動による温熱刺激の両方で発汗が促進されるため、汗を多くかきやすい部位です。人間のからだは、暑さや運動によって体温の上がりすぎを防ぐため、汗をかいて熱を発散させています。また、精神的な緊張やストレスによって汗をかくこともあります。体質で汗が多いという人はいますが、ワキ汗で人目が気になるなど、日常生活で困るほど汗が出る場合は『多汗症』という病気があります。多汗症の症状があらわれやすいのは、手のひらや足の裏、ワキの下、額など、汗腺が密集している部位です。多汗症に悩む人は、思春期から中年世代までの社会的活動が盛んな年代に多いといわれています。男女の比率はほぼ同等とされていますが、日本国内の調査では男性患者のほうがやや多いと報告されています*。 明らかな原因が存在しない「原発性多汗症」と、何らかの病気や使用している薬が原因となる「続発性多汗症」に分けられます。続発性多汗症は、原因となる病気を先に治療する必要があります。

■どのような治療がありますか?

  • 外用剤 (保険適応) エクロックゲルが2020年11月より保険適応になりました。1日1回患部に塗る治療となります。
  • ボトックス注射(保険適応外) ボツリヌス毒素をワキに注射することで発汗を抑制する治療です。ワキに数十か所注射を行います。効果は約半年間です。
  • マイクロウエーブ治療(保険適応外) マイクロウエーブ(電磁波)をワキに照射することで汗腺を破壊する治療法です。半永久的に効果がありますが、自費診療となります。(当院では行っておりません)

■エクロックゲルについてのよくある質問

 
エクロックゲルの「1日1回」とは、いつ塗布すればよいですか?
エクロックゲルの添付文書には塗布する時間の記載はありません。毎晩就寝前など、決まったタイミングでの塗布をお勧めします。入浴後など腋窩が濡れている場合は、水気をタオルなどでよくふき取ってから使用してください。 なお、エクロックゲルの優越性を検証した第Ⅲ相試験(検証的験)では、1日1回、就寝前の塗布でした。
 
エクロックゲルは、塗布後、乾かす必要がありますか?
エクロックゲルを塗布後、乾かしてから衣服を着用してください。衣服等への薬剤の付着を防ぐために塗布後は乾かしてください。
エクロックゲルは、塗ってどれくらいから効果がありますか?
エクロックゲルを塗って数分後から効果が出始めます。
 
エクロックゲルを塗布後、洗浄してしまった場合はどうすればよいですか?
エクロックゲル塗布後洗浄した場合の有効性についてのデータはありません。エクロックゲルを再度塗布せず、1日1回塗布を遵守してください。 すぐに洗い流してしまう可能性を避けるためにも、エクロックゲルは入浴後にご使用いただくことをお勧めしています。
エクロックゲルを塗り忘れた場合はどうすればよいですか?
塗り忘れた場合は、気付いた時点で塗布してください。 2回分を1度に塗布しないでください。
エクロックゲルの使用量の目安を教えてください。
1回の使用量は、右わきにポンプ1押し分、左わきにポンプ1押し分です。
 
エクロックゲルボトル1本でどの程度の期間使用できますか?
1日1回、右わきにポンプ1押し分、左わきにポンプ1押し分使用した場合、ボトル1本(20g)が14日分に相当します。
 
エクロックゲルの治療にはどのくらいの期間が必要ですか?
6週間を効果判定の目安とし、対症療法薬であることから、改善が認められた後も塗布を継続してください。
エクロックゲルは、妊婦への投与は可能ですか?
妊婦を対象とした臨床試験は実施していないため、安全性は確立していません。
エクロックゲル授乳婦への投与は可能ですか?
授乳婦を対象とした臨床試験は実施していないため、安全性は確立していません。動物実験(ラット:皮下投与)において、乳汁中に移行することが報告されています。
エクロックゲルの小児への投与は可能ですか?
12歳未満の小児等を対象とした国内臨床試験は実施していないため、安全性は確立していません。
エクロックゲルの作用機序を教えてください。
多汗症の原因となる汗はエクリン汗腺から分泌されます。エクリン汗腺は交感神経により調節されており、アセチルコリンがエクリン汗腺のムスカリン受容体サブタイプ3(M3)を刺激することにより発汗を誘発すると考えられています。エクロックゲル5%の有効成分であるソフピロニウム臭化物は、M3を介したコリン作動性反応を阻害し、発汗を抑制します。
エクロックゲルは手や足に塗っても効果がありますか?
エクロックゲルの作用機序から考えますと手や足に塗ることで発刊が抑制される可能性はありますが、腋窩以外での使用は保険適応外です。手についたまま瞼を触るなどした場合副作用が起こる恐れがあります。当院では手汗、足汗に対してエクロックゲルの処方はしておりません。