モイゼルト軟膏

モイゼルト軟膏とは?

モイゼルト軟膏は、2022年6月に発売されたアトピー性皮膚炎に適応の通った「ホスホジエステラーゼ(PDE)4の活性を阻害して抗炎症作用を示すPDE4阻害剤」というステロイドではない塗り薬です。名称の由来は、潤い(MOIsture)のある正常な皮膚を確実(CERTainly)に取り戻すという願いを込めてモイゼルト(MOIZERTO)と命名されました。

モイゼルト軟膏の作用機序

モイゼルト軟膏が阻害するPDE4と呼ばれる酵素は、cAMPという物質をAMPに分解する役割があります。アトピー性皮膚炎の患者は細胞内のcAMPの濃度が低下していることがわかっており、cAMPの量が減ると体の中で炎症を引き起こすサイトカインが過剰につくられるため炎症が悪化します。モイゼルト軟膏を外用するとPDE4を阻害しcAMPの分解を抑えることで濃度が低下しなくなり、炎症をおさえることができます。

モイゼルト軟膏の適応疾患

• アトピー性皮膚炎

モイゼルト軟膏の使い方及び用量

通常、成人には1%製剤を1日2回、適量を患部に塗布します。通常、小児には0.3%製剤を1日2回、適量を患部に塗布します。症状に応じて、1%製剤を1日2回、適量を患部に塗布することができます。1 回あたりの塗布量制限がなく、皮疹の面積0.1m2あたり1gを目安です。粘膜への使用は避けてください。

モイゼルト軟膏についてよくある質問

モイゼルト軟膏は何歳から使用することが出来ますか?

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モイゼルト軟膏は2歳以上から使用することが可能です。

モイゼルト軟膏はどのように作用しますか?

💡
本剤は、アトピー性皮膚炎に使われているステロイド外用剤や免疫抑制外用剤とは異なる作用機序になり、PDEファミリーのうち、特に炎症に関わるPDE4Bを強く阻害します。PDE4は多くの免疫細胞に存在し、cAMPを特異的に分解する働きを持ちます。本作用機序に基づき、炎症細胞の細胞内cAMP濃度を高め種々のサイトカイン及びケモカインの産生を制御することにより皮膚の炎症を抑制します。

モイゼルト軟膏はタクロリムス外用剤、ステロイド外用剤、保湿剤等の他の外用剤と併用することはできますか?

モイゼルト軟膏と併用に制限のある薬剤はありません。国内長期投与試験においては、ステロイド外用剤、タクロリムス外用剤は必要な場合のみ併用して治験を行っております。

モイゼルト軟膏の妊婦の方、授乳中の方への使用について

妊娠又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましいとされています。授乳婦に対しては、動物実験(雌ラット)において、乳汁中への移行が認められていますので治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討することとされています。また妊娠可能な女性にはモイゼルト軟膏を使用中止後2週間程度の避妊を行うこととされています。
 
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