コレクチム軟膏

コレクチム軟膏の効能、効果と用法、用量

効能又は効果

アトピー性皮膚炎

用法及び用量

通常,成人には,1 日 2 回,適量を患部に塗布する。
1 回あたりの塗布量は 5g までとする。
⇒使用上限一日当たり10g
粘膜への使用は避けてください

使用上限より多く使用した場合に考えられることは⁇

臨床試験時、1 回あたりの最大塗布量については、アトピー性皮膚炎診療ガイド ラインの "重症度のめやす" より体表面積の 30%程度まで塗布できる量であること が望ましいとされました。また、コレクチム軟膏の伸展性等を考慮すると、1 回の塗布量として最大 5g あれば体表面積の 30%程度まで塗布可能と考えられました。臨床試験の有効性、薬物動態及び安全性の結果 より 1回あたりの塗布量は 5g までとなりました。5g よりも多く使用した場合の事例はないため、現時点ではわかっていません。

塗布期間

コレクチム軟膏は塗布期間の制限はありません。
コレクチム軟膏の第Ⅲ相長期試験では、52 週 間塗布しましたが、長期投与により発現率が増加した副作用はありませんでした。ただし、 治療開始 4 週間以内に皮疹の改善が認められない場合は、使用を中止ください。

刺激性について

コレクチム軟膏の第Ⅲ相臨床試験では適用部位刺激感 9/506 件(1.8%)皮膚刺激 1/506 件(0.2%)の報告がありました。

副作用について

コレクチム軟膏は、詳細に発現機序がわかっている副作用はありません。 コレクチム軟膏は JAK/STAT 経路を活性化するすべてのサイトカインシグナル伝達を阻害 し、各種サイトカイン刺激により誘発される T 細胞、B 細胞、マスト細胞及び単球の活性化 を抑制することにより免疫系を抑制します。

化粧品を使用する際の注意点

化粧品(化粧水、乳液、日焼け止め等)は、医薬品と異なり製品の使用上の注意に記載があるよ うに、皮膚に異常があるときには使用を控えるということが原則です。もし、使用する場合 は洗浄剤も基礎化粧品(化粧水、乳液)も低刺激製品を選ぶことがよいとされています。

コレクチム軟膏についてのQ&A

コレクチム軟膏とはどのようなお薬ですか?

コレクチム軟膏は、2020年6月に発売されたアトピー性皮膚炎に適応の通った「ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤」というステロイドではない塗り薬です。

コレクチム軟膏はどのように作用しますか?

コレクチム軟膏は薬物療法の外用薬の1つで、外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤と呼ばれる塗り薬です。アトピー性皮膚炎に使われているステロイド外用剤や免疫抑制外用剤とは異なる作用機序でアトピー性皮膚炎を和らげる新しいお薬です。アトピー性皮膚炎の病態には、サイトカインと呼ばれる物質が関与しています。サイトカイン(IL-4、IL-13、IL-31など)が、免疫細胞や神経にある「受容体」という受け皿に付くと、JAKなどのシグナル経路が活性化され、炎症やかゆみを引き起こします。コレクチム軟膏は、皮膚から浸透し、細胞内のJAK経路から伝達される炎症を引き起こすシグナルをブロックすることで、皮膚の炎症やかゆみを抑え、アトピー性皮膚炎を改善します。

コレクチム軟膏はタクロリムス外用剤、ステロイド外用剤、保湿剤等の他の外用剤と併用することはできますか?

コレクチム軟膏と併用に制限のある薬剤はありません。保湿剤を塗った後にコレクチム軟膏を塗るなど行うことがあります。

コレクチム軟膏とシクロスポリン又はデュピクセントとの併用は可能⁇

コレクチム軟膏添付文書に両剤との併用について記載はなく、併用に制限はありません。デュピクセント注射で効果が乏しい場合は、使うことも選択肢の一つになると思います。
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