🏠谷村皮フ科>よくあるご質問>帯状疱疹について

帯状疱疹とは何ですか?
帯状疱疹は、VZVウイルスの感染症です。VZVの初感染ではみずぼうそうになります。この時にVZVは、神経節内に潜伏します。潜伏していたウイルスが何らかの誘因で、再び活性化して発症するのが帯状疱疹です。帯状疱疹の誘因として過労やストレスなどによる免疫機能の低下、手術や放射線照射などがあげられます。ウイルスが再活性化されると神経節内で増殖し、知覚神経を通って表皮に達し、表皮細胞に感染しそこで更に増殖して、赤い丘疹や水疱が神経の走行に沿って帯状に出現します。他のヒトから感染して帯状疱疹になるわけではありません。
帯状疱疹は、お年寄りに多いと伺いましたが、本当でしょうか?
帯状疱疹は免疫能力、特にVZVに対する特異的免疫が低下すると発症する疾患で、誰でも罹患しうる疾患です。水痘罹患や水痘ワクチンを接種してVZVの抗体を持ったものの約20%が罹患すると云われております。特に、細胞性免疫が低下するAIDS、白血病、悪性リンパ腫などの患者に罹患しやすく、老人も罹患しやすいといえます。90歳以上のヒトではその半分は罹患すると考えられています。しかし、統計的にみると20歳代と50歳代にピークがみられ、これらの年代では周囲に水痘患者がいない年代で、VZVの免疫にブースターが罹らないためとされています。季節的には決算期、連休後、お盆後、12月の暮れなど疲労が重なる時に多くみられます。
帯状疱疹の症状は?
片側の神経分布領域に一致して神経痛様疼痛、知覚異常あるいは痒みが数日から1週間続き、やがて虫さされのような浮腫性の紅斑が出現します。この時期に軽度の発熱やリンパ節腫脹、頭痛などの全身症状がみられることもあります。間もなく紅斑上に小水疱(みずぶくれ)が多発し、水疱は中央にくぼみがあります。内容は初め透明ですが、黄色い膿疱となり、6~8日で破れてびらん(ただれ)または潰瘍になります。皮疹の出現後1週間までは紅斑や水疱が新生し、皮疹部の拡大がみられますが、以後治癒に向い、約2週間でかさぶたとなり、約3週間でかさぶたは脱落して治癒します。
帯状疱疹の好発部位はどこですか?
知覚神経のある体の何処でも発症します。特に12対ある胸髄神経節の領域である体幹に多くみられますが、三叉神経領域の第1枝も好発部位といえます。まれに離れた部位の2ヵ所以上に生じたり、両側性にみられることもありますが、この場合、内臓悪性腫瘍と合併していることが多いようです。
入院が必要となる重症の帯状疱疹というのはどんなものですか?
病変は広範囲で、多くの神経皮膚分節にまたがって一面に発疹が出現し、個疹が大きく、黒ずんだ水疱を形成している場合や水疱の周囲に赤みがなく、全身に水疱瘡様の発疹がみられる場合です。このような症例では、入院し、抗ウイルス薬の点滴静注が必要です。また、激烈な疼痛や帯状疱疹の合併症がみられた場合に入院が必要です。
帯状疱疹の合併症には何がありますか?
頬部、下顎から肩に掛けて(三叉神経第3枝から第3頚髄神経領域)の帯状疱疹の場合、同側の顔面神経麻痺、味覚障害、内耳障害を伴います(ラムゼイ-ハント症候群)。早期に入院し、副腎皮質ステロイドの全身投与が必要です。また、本症は主として知覚神経が侵されますが、まれに炎症が高度で、脊髄の前角にまで及ぶと運動麻痺が起こります。上肢に多く、挙上が出来なくなり、筋の萎縮を伴うこともあります。腹部の帯状疱疹では腹筋の麻痺により同側の腹部が膨隆することがあり、また、腹部の帯状疱疹では、便秘を伴うことがあります。仙骨部の帯状疱疹すなわち、外陰部領域の帯状疱疹では膀胱直腸障害がみられ、尿閉が起こることがあります。この場合も、入院してもらい、充分な抗ウイルス薬の投与と留置用バルーンカテーテルを使用します。
帯状疱疹の診断は?
臨床症状で一般に判断できますが、時に虫刺され、接触皮膚炎または単純ヘルペスなどの疾患と鑑別を要することがあります。発疹の塗抹標本をアセトンで固定後、ギムザ染色を行って、ウイルス性巨細胞をみる方法が簡単ですが、単純ヘルペスとの鑑別は、抗VZVモノクローナル抗体によるウイルス抗原の検出を行います。血清診断では補体結合反応が一般的で、ペア血清で血清抗体価の上昇が診断の一助となります。皮疹の出現した日を第1病日とすると帯状疱疹では第4、5病日あたりから抗体価の上昇がみられます。
帯状疱疹の治療法は?
年齢が若いから軽症ですむとはかぎらず、その患者の抵抗力により重症度が決定されます。初期に軽症であっても、無理をすることでいくらでも重症化する疾患です。帯状疱疹は抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、アメナビル)の全身投与を出来るだけ早期に開始することが大切です。重症なものは、入院して抗ウイルス薬(アシクロビル、ビダラビン)の点滴静注が必要です。局所は、初期では非ステロイド抗炎症薬、水疱期以降では細菌二次感染を防ぐために化膿疾患外用薬、潰瘍形成したものでは潰瘍治療薬を貼布します。
疼痛に対してどうするのですか?
帯状疱疹の出現している時の急性期疼痛に対しては、アセトアミノフェン、リン酸コデイン、アミトリプチリン(保険適応外)が欧米では使用されています。また、副腎皮質ステロイドの全身投与も急性期の疼痛を除去する作用があります。アミトリプチリンは抗うつ薬ですが、早期に投与することにより帯状疱疹後神経痛を予防する事が出来るというデーターから特に60歳以上の患者に対して使用されています。激烈な疼痛の場合は、神経ブロックを行います。現在、米国で50歳以上の者に水痘ワクチンを接種し、その後の帯状疱疹出現頻度、重症度、帯状疱疹後神経痛の有無など4万人を対象に調査を行った結果、重症度 61.1%、帯状疱疹後神経痛への移行66.5%、帯状疱疹罹患頻度 51.3%(いずれもp<0.001)に減少したと報告しています。
帯状疱疹後神経痛とはどういうものですか?
疼痛は普通皮疹の出現に先立って認められますが、皮疹と同時に出現するものや遅れて出現するもの、あるいはまったく疼痛を欠くものもあります。痛みは鈍い、あるいは鋭い灼熱感、または突き刺すような痛みで、程度は軽度のものから、夜も眠れないほど激烈なものまでさまざまです。大部分は皮疹の治癒と同時に疼痛も消失しますが、一部の症例では皮疹治癒後にも痛みが残り、年余にわたって疼痛が続く場合があり、これを帯状疱疹後神経痛といっています。3ヶ月以上続く疼痛を特に云うようになっています。帯状疱疹後神経痛の発生率は約3%で、60歳以上の高齢者に多くみられ、初期重症な者ほど移行しやすいと云われ、初期の抗ウイルス薬投与の重要性が叫ばれております。
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