🏠谷村皮フ科>よくあるご質問>天疱瘡ついてのQ&Aまとめ

# 天疱瘡とは?

# 天疱瘡の原因

# 天疱瘡の治療

# 天疱瘡についてのQ&A

# 天疱瘡はどのような病気でしょうか。

天疱瘡は、免疫が自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患のひとつで、皮膚、口腔粘膜などに水疱、びらんを生じる疾患です。  免疫は通常、外から来るウイルス、細菌、異物などの自分以外のもの(非自己)を排除するために働いています。麻疹に一度かかると、二度目に感染を起こさないのは、一度目の感染で麻疹ウイルスに対する免疫ができるからです。体にとって通常よいことをしている免疫が、間違って自分を攻撃してしまうのが自己免疫疾患です。天疱瘡の場合は、皮膚、口腔粘膜、食道などの粘膜の表面にある接着をつかさどる蛋白(デスモグレイン)に対して自己抗体(IgG)が産生されてしまい、IgGが蛋白の接着機能を抑えるため、水疱ができ、その水疱が簡単に破れてびらんが生じてしまいます。

# 天疱瘡にはどのような種類がありますか。

天疱瘡には、尋常性天疱瘡と落葉状天疱瘡というふたつの病型があります。天疱瘡と診断がついた患者さんで、大体10人に6人は尋常性天疱瘡、3人は落葉状天疱瘡、残りの1人はそれ以外のまれな型の天疱瘡になります。  尋常性天疱瘡には、デスモグレイン3(Dsg3)に対するIgG自己抗体が認められます。落葉状天疱瘡には、デスモグレイン1(Dsg1)に対するIgG自己抗体が認められます。

# デスモグレインとは何ですか。

天疱瘡の患者に認められるIgG自己抗体は、デスモグレイン1(Dsg1)か、デスモグレイン3(Dsg3)を攻撃します。デスモグレインは、表皮細胞と表皮細胞がお互いにくっつく(接着する)のに重要な役割をしている蛋白です。デスモゾームという接着装置にある膜蛋白です。天疱瘡の自己抗体は、デスモグレインに結合し攻撃することで、デスモグレインの接着する働きを阻害します。その結果、表皮細胞と表皮細胞がばらばらになり、表皮の中で水疱が生じます。  デスモグレイン1は、主に皮膚にあります。デスモグレイン3は、主に粘膜(口腔、食道など)にあり、少しだけ皮膚にもあります。攻撃されるデスモグレイン1、3のある場所が違うため、尋常性天疱瘡と落葉状天疱瘡の症状に違いができます。

# 天疱瘡はどのような症状がでますか。

尋常性天疱瘡の患者さんは、かならず口腔粘膜にびらんが見られます。口の中がしみるため、飲食がしにくくなります。重症な場合は、飲み物をとることすらできなくなることもあります。尋常性天疱瘡の半分くらいの患者さんは、口腔のみならず、皮膚にも水疱、びらんを認めます。水疱は、体のどこにでもできます。治療せずに放置しておくと、体の広範囲にびらんができることもあり、2次感染、体液漏出により重篤な症状がおきます。  落葉状天疱瘡は、皮膚だけに水疱、びらんができます。口腔にできることはありません。尋常性天疱瘡に比べると水疱がすこし皮膚の浅いところにできるため、すぐに水疱が破れてびらんだけが見られため、水疱をみることがまれであることもあります。

# どのような症状があったときに天疱瘡を疑いますか。

皮膚に、皮膚の表面がはがれて、びらんが広範囲に広がり、1週間以上も長く続くようであれば、天疱瘡を疑います。天疱瘡の皮疹は、かゆくありません。びらんがひろがると表面に何かが触れるだけでも痛みを感じます。一見正常なところを強くこすると水疱になることもあります(ニコルスキー徴候)。  歯肉、頬粘膜、口蓋などに、固いものを食べた後などに、びらんが生じ、1週間以上もなかなかよくなる様子がなければ、天疱瘡を疑います。  天疱瘡の診断は、皮膚科専門医で正しくつけてもらう必要があります。見た目の症状だけでは、簡単に診断できません。血液検査と、皮膚、あるいは粘膜の一部を検査する生検が必要です。疑わしい症状があったら、皮膚科専門医を受診することが大切です。

# 天疱瘡はどのように診断しますか。

皮膚、粘膜に生じるびらん、水疱の臨床症状以外に、必ず必要な検査が、皮膚、あるいは粘膜の生検による組織検査です。生検は、局所麻酔をして、皮膚、粘膜の一部をメスで切り取ります。病理学的に水疱がどのようにできているか、確認する必要があります。天疱瘡の場合、表皮、あるいは、粘膜上皮の中で、細胞と細胞の接着が保てないために表皮内(上皮内)水疱を確認する必要があります。さらに、表皮細胞の表面にIgG自己抗体が沈着していることを確認する必要があります。天疱瘡の確定診断には、この組織検査が必須です。  血液検査にて、血清中の自己抗体を検出することができます。血清中に抗デスモグレイン1抗体、抗デスモグレイン3抗体をELISA法という方法で検出します。または、間接蛍光抗体法という方法で天疱瘡抗体を検出することもできます。  目で見える臨床症状、顕微鏡で見える病理学的な所見、自己抗体の存在を証明する免疫学的な所見の3つが揃い、天疱瘡と診断することができます。  天疱瘡の診断は、治療を開始する前に正しくつけることが大切です。

# 天疱瘡はどのように治療しますか。

天疱瘡が正しく診断された後に、初期治療が重要です。治療は、皮膚科専門医によりなされるべきです。天疱瘡において、病初期にその予後を正確に予測するのは困難ですが、初期治療が不十分ですと、後に再発を認めることがあります。  天疱瘡は自己免疫疾患です。自己抗体を産生するB細胞は、骨髄、脾臓、リンパ節などの、皮膚、粘膜とは異なる全身に存在します。従って、治療には自己免疫反応を抑えるための、全身療法が必要です。全身療法として、最も中心的に用いられているのが、ステロイド内服です。他に、免疫抑制剤、血漿交換療法、大量γグロブリン療法などがあります。軽症を除いて、入院して治療することが必要です。

# 天疱瘡の治療にステロイド内服は必要ですか。

天疱瘡の多くの患者さんにステロイド内服は治療として必要です。  自己免疫疾患に対して自己免疫反応を制御する目的で、ステロイド(副腎皮質ホルモン、コルチコステロイド)内服が最も一般的に用いられている第一選択薬です。ステロイドは、副腎が出す人間にとって必須なホルモンで、抗炎症作用をもち、免疫反応を迅速に強力に抑える効果があります。現時点で、ステロイドの速効性、著効性を単剤で上回る薬剤は存在しません。ステロイドは、治療として用いる本来の作用以外に様々な作用を持つために、肥満、糖尿病、高血圧、骨粗鬆症、高脂血症などの副作用に注意する必要があります。

# 天疱瘡は他人にうつりますか。

天疱瘡は、感染症のように他人にうつることはありません。天疱瘡の患者さんを看病することにより、自分が天疱瘡になることはありません。

# 天疱瘡は遺伝しますか。

天疱瘡は遺伝しません。家族内に発症したという報告はありますが、きわめて稀です。天疱瘡になりやすい傾向を持つ人種は知られていますが、単純にひとつの遺伝子異常で、天疱瘡が遺伝するわけではありません。

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